所長メッセージ

所長メッセージ

年頭挨拶

昨年12月21日にマヤのカレンダーが終了するとのことで、世界中で「世の中」の終わりが来るのではないかと大騒ぎになりました。しかし、終わったのは「世の中」ではなく「一つの時代」のように思います。
「一つの時代」が終わったときには「主役」が交代します。昨年は、政治の分野では「アラブの春」によって多くの長期政権が終わりを告げたのがひとつの象徴であり、経済では新興国バブルがはじけ、世界経済を牽引してきた中国も変調をきたしてきました。一方、国内に目を向けると、自公連立政権が衆議院の3分の2以上を確保し、民主政権は3年余りで終了しました。経済では、「ソニー」「パナソニック」「シャープ」という名実とも世界のトップ企業と言われていた会社が大きな赤字に苦しんでおり先行きも不透明になっています。
今年は本当に「世の中」がひっくりかえる。すなわち「主役」が交代する年になると思います。政治も経済も家族も、そして価値観さえも大きく変わることになると思います。このような時代を生き抜くには、自己の再構築・確立が必要です。頭だけでも身体だけでも駄目です。その上に心も新しい時代に対応すべく鍛えなおすことが必要だと思います。
時代はちょうど幕末や大戦末期と同じ状況と認識して、新しい時代に飛躍するべく、皆さまが主役となられることを祈念いたします。

今後の経済・経営環境の見通し

  1. 世界同時長期不況は、さらに拡大していくものの、一部地域・業種ではかなりの回復も見られるようになり一時的に楽観論も出てくるが、本格的回復になるには最低でも3年〜4年以上かかる。また、日本の場合は、急速に進む超高齢化・少子化により、今世紀末で4千万人の人口減少等で本格的な回復は難しいという前提で経営改善をすべきである。但し今年は、引き続きの復興需要と国土強靭化の投資により、多少の景気改善は見込まれる可能性がある。
  2. 大手企業は、内需縮小・人口減少・円高、社会保険料負担増加等に対応して国内生産・出店を縮小し、こぞって海外生産・海外出店等の海外展開を加速していく。従って、国内の雇用・生産は縮小していくので失業は増加する事はあっても減少せず内需は拡大せず中堅・中小企業の売上・利益も縮小していく。
  3. 日本国内のみを基盤とした経営だと経済縮小等により先細りとなり最終的に行き詰ってしまうが、東アジア経済圏等を海外調達先・新規収益先として取り込んでいけば充分生き残れる。また、加速する経済縮小・国家財政破綻懸念対策として事業のリスク分散が必須である。
  4. 国家財政破綻は、ユーロ圏のみならず、今年は世界中に及ぶ。まず国債価格下落、すなわち金利上昇という形で我々に影響を与える。
  5. 地震、水害、火山等自然災害の増大期にあるため、その対応も発生前に十分考慮する。

これからの基本方針

  1. 企業存続に必要なキャッシュフロー経営資金必要額を算出し、腹をくくって資金捻出対策を即スピーディに実施する。
  2. 毎年引上げされる「最大の税金」社会保険料を大幅削減する対策を実施する。
  3. 賃金カットではない休業制度、整理解雇ではない退職勧奨により人件費の変動費化・適正化を実施する。
  4. 業種により円高を活かして海外調達(輸入)で製造仕入コスト削減、輸出で海外新規収益獲得・消費税大幅削減により、今後の消費税引上げに備える。大きな変化に耐えられるよう事業リスク分散をしておく。
  5. 金利上昇、資源インフレが進む可能性も否定せず、その対策を立てておく。
  6. 相続税の大増税時代に備え、自分の年齢と後継者の有無等を勘案し早期に現実的事業承継対策を実施して企業存続を確かなものにする。
  7. 一番重要なことは心身の健康であるということを再確認し、ストレスに負けない体作りを日々心がける。
  8. 自分だけよければ、という考えは捨て、関係するすべての人々がよくなる方法を実行する。

とるべき具体的対策

  1. (1)在庫なし(又は少なく)、(2)設備が不要で、(3)少人数でも利益が出せる体制にする。成長産業だからと言って、自社に合わない介護事業やフランチャイズ等には安易に参入しない
  2. サービス業等は、パート等の社会保険未加入の追徴を回避する対策をとる。また、60歳以上の高齢者の活用と人件費コストの大幅削減を行う。同時に働きがい、生きがいのある職場を目指す。
  3. 役員報酬を見直し、役員借入金・役員退職金等を活用する。役員数を削減し執行役員にして社会保険料削減や年金受給等で大幅な人件費削減をする。役員賞与や保証料支払い等により高齢役員の年金受給と社会保険料削減を実現する。
  4. 賃借事務所の低家賃地域への移転・スペースは最小限にして家賃を引下げる。また、比較的高い家賃を支払っている場合は家主に更新時期に関係なく家賃の引下げを要求する。
  5. 受注は自社で行い製造(運輸を含む)等は設備投資している他社を活用する。設備投資リスクを自社で負担しないような経営体制をとる。
  6. リスク対策として最新の就業規則(リスクのない退職金制度に改定)・車両管理規定、安全衛生教育、誓約書、残業許可申請書、みなし労働時間協定、個人情報保護規程等を整備し、各社員の署名を貰っておく。また、サービス残業対策・過労死(1億円以上の損害賠償)対策等も実施する。
  7. 取引先からの回収不能に備えて住居を所有する連帯保証人付きの取引基本契約等を締結する。未収は放置せず、内容証明、時効中断できる訴訟等をタイムリーかつ事務的に行い法的に短期間に回収する。また、預けてある敷金・保証金は競売になると返ってこないので交渉して引き下げておく。
  8. 厚生年金基金は、早期に任意脱退する。また、適格年金も早期にやめる。401K等は安易に導入しない。自社に合った対応を確立する。
  9. 知的財産権(特許権・商標権等)にして独占権を確保しておく。粗利の高い独自商品・製品・技術等で差別化を徹底する。
  10. 日本の市場は先細りとなっていくので、円高等を活用して海外調達でコスト削減、また、自社製品・商品、日本にあって海外にないもの、日本で必要ないが海外で必要なもの等を海外市場に売り込む。常に購入者の目で見ること。
  11. 国家財政破綻・円資産リスク対策として、純金・海外銀行外貨預金等にリスク分散しておく。
  12. どんな時代でもお客様に必要とされる企業は生き残れる。お客様が何を求めているのか常に考え、行動する企業になること。自分だけ、今だけよければ、という考えは捨てること。

以上、心に感じる事項がありましたら、ぜひ即実行される事をお勧め致します。必要な場合はお手伝いさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。本年もよろしくお願い致します。

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