所長メッセージ
年頭挨拶
2008年の経済大変動、2009年の政治大変動と続き、今年は、超高齢化高負担時代・経済縮小時代・国家財政破綻懸念時代という3つの企業存続リスクが同時に進行する時代に既に突入しており、これに世界同時長期不況が追い討ちをかけ、何もせずに座して待つということでは「先細り・企業消滅」となってしまいます。キャッシュフロー経営実現+近隣海外を取り込んだコスト削減・利益確保への早期の決断・実施等の抜本的な改革ができない企業は生き残る事ができず、生き残った企業も半永久的に続く経済縮小(需要減少・利益減少)と戦い続ける事になります。今年は、「企業存亡の決戦の年」と強く認識し従来のシガラミ・鎖国根性を捨ててスピーディに決断・実施する必要があります。とは言いながら、あまりに物、金に執着しすぎることなく心豊かに、この大変動を楽しむ余裕も、持ち続けたいものです。
今後の経済見通し
- 世界同時長期不況は、世界のGDP(国内総生産)の約4分の1近くを占める米国の大量消費に依存していた経済構造が崩壊した事から、回復傾向になるには最低でも3年〜4年以上かかる。但し、日本の場合は、急速に進む超高齢化・少子化により、今世紀末で4千万人の人口減少等で本格的な回復はないという前提で経営改善をすべきである。
- 大手企業は、内需縮小・人口減少・円高・OECD(経済協力開発機構)30か国で最高税率の法人税負担・社会保険料負担増加等に対応して国内生産・出店を縮小し、こぞって海外生産・海外出店等の海外展開を加速している。従って、国内の雇用・生産は縮小していくので失業は増加する事はあっても減少せず内需は拡大せず中堅・中小企業の売上・利益も縮小していく。
- 日本国内のみを基盤とした経営だと経済縮小等により先細りとなり最終的に行き詰ってしまうが、東アジア経済圏等を海外調達先・新規収益先として取り込んでいけば充分生き残れる。また、加速する経済縮小・国家財政破綻懸念対策として事業のリスク分散が必須である。
- 国・地方自治体の債務合計が1093兆円、1日の利息216億円となり、38兆円の税収しかないのに92兆円の予算となる新政権の巨額バラマキ政策で財政破綻が早まる可能性大である。
これからの基本方針
- 企業存続に必要なキャッシュフロー経営資金必要額を算出し、腹をくくって資金捻出対策を即スピーディに実施する。
- 毎年引上げされる「最大の税金」社会保険料を大幅削減する対策を実施する。
- 賃金カットではない休業制度、整理解雇ではない退職勧奨により人件費の変動費化・適正化を実施する。
- 業種により円高を活かして海外調達(輸入)で製造仕入コスト削減、輸出で海外新規収益獲得・消費税大幅削減と今後の消費税引上げに備える。大きな変化に耐えられるよう事業リスク分散をしておく。
- 自分の年齢と後継者の有無等を勘案し早期に現実的事業承継対策を実施して企業存続を確かなものにする。
- 一番重要なことは健康であるということを再認識し、ストレスに負けない体作りを日々心がける。
とるべき具体的対策
- (1) 在庫なし(又は少なく)、(2) 設備が不要で、(3) 少人数でも利益が出せる体制にする。成長産業だからと言って、自社に合わない介護事業やフランチャイズには安易に参入しない。
- サービス業等は、パート等の社会保険未加入の追徴を回避する対策をとる。また、60歳以上の高齢者の活用と人件費コストの大幅削減を行う。
- 役員報酬を見直し、役員借入金・役員退職金等を活用する。役員数を削減し執行役員にして社会保険料削減や年金受給等で大幅な人件費削減をする。役員賞与や保証料支払い等により高齢役員の年金受給と社会保険料削減を実現する。
- 賃貸事務所の低家賃地域への移転・スペースは最小限にして家賃を引下げる。また、比較的高い家賃を支払っている場合は家主に更新時期に関係なく家賃の引下げを要求する。
- 受注は当社で行い製造(運輸を含む)等は設備投資している他社を活用する。設備投資リスクを他社に転化する。
- リスク対策として最新の就業規則(リスクのない退職金制度に改定)・車両管理規定、安全衛生教育、誓約書、残業許可申請書、みなし労働時間協定、個人情報保護規程等を整備し、各社員の署名を貰っておく。また、サービス残業対策・過労死(1億円以上の損害賠償)対策等も実施する。
- 取引先からの回収不能に備えて住居を所有する連帯保証人付きの取引基本契約等を締結する。未収は放置せず、内容証明、時効中断できる訴訟等をタイムリーかつ事務的に行い法的に短期間に回収する。また、預けてある敷金・保証金は競売になると返ってこないので交渉して引き下げておく。
- 厚生年金基金は、早期に任意脱退する。また、適格年金も早期にやめる。401K等は安易に導入しない。
- 知的財産権(特許権・商標権等)にして独占権を確保しておく。粗利の高い独自商品・製品・技術等で差別化を徹底する。
- 日本の市場は先細りとなっていくので、円高等を活用して海外調達でコスト削減、また、自社製品・商品、日本にあって海外にないもの、日本で必要ないが海外で必要なもの等を海外市場に売り込む。
- 国家財政破綻・円資産リスク対策として、純金・海外銀行外貨預金等にリスク分散しておく。
- どんな時代でもお客様に必要とされる企業は生き残れる。お客様が何を求めているのか常に考え、行動する企業になること。
以上、該当項目がありましたら、ぜひ即実行される事をお勧め致します。本年もよろしくお願い致します。