所長メッセージ

所長メッセージ

年頭挨拶

昨年は、政治・経済・自然環境、すべてに「大変化」した年でした。できれば今年は平穏無事に過ごせればという想いですが、なかなかそのようにはいかないかもしれません。いまだに大きな変化などは起きていないと思っている方も少なからずいます。また、昔のような景気が戻ると期待している方もいます。しかし、確実に「大変化」は起きてしまったのです。私たちはこの変化に素早く適応しなければなりません。どうせならば変化を楽しんで、明るい未来を創っていきましょう。そのために自分を進化させて自分自身で考え抜き、行動する年にいたしましょう。

今後の経済・経営環境の見通し

  1. 1〜3月の短期的には消費税の駆け込み需要や政府経済対策で景気は拡大する。ただし追加金融緩和や新成長戦略などが不発に終わると、4月以降の消費税増税により失速し、来年秋の消費税率再引き上げが見送りになる様であれば、財政破たん不安による国債暴落リスクを生じる可能性もある。一方、米国は追加金融緩和がなされれば、当面の景気回復傾向は維持できるだろうが、秋の中間選挙による政治リスクの顕在化等の要因で、失速する可能性がある。またユーロ圏は財政・金融リスクが依然として残っており、先進各国の景気見通しは不透明なのが実情である。中国を含めてBRICS諸国も今までの発展がスピードダウンすると思われる。
  2. 我が国は、今後、生産年齢人口は年々減少し、女性の就業率の上昇等を考慮しても労働力は確実に年々減っていく。急速に進む超高齢化・少子化により、今世紀末には4千万人の人口が減少していく。
  3. 大手企業は、内需縮小・人口減少・円高、社会保険料負担増加等に対応して国内生産・出店を縮小し、こぞって海外生産・海外出店等の海外展開を加速していく。従って、国内の雇用・生産は縮小していくので失業は増加する事はあっても減少せず内需は拡大せず中堅・中小企業の売上・利益も縮小していく。
  4. 日本国内のみを基盤とした経営だと経済縮小等により先細りとなり最終的に行き詰ってしまうが、東アジア経済圏等を海外調達先・新規収益先として取り込んでいけば充分生き残れる。また、加速する経済縮小・国家財政破綻懸念対策として事業のリスク分散が必須である。
  5. 膨大な情報が富を生み出す「データ資本主義」の時代に突入する。データをどう生かすし、守るのかを考える。
  6. 地震、水害、火山等自然災害の増大期にあるため、その対応も発生前に十分考慮する。

これからの基本方針

  1. 自社の置かれた環境(内部・外部)を分析し直し、経営戦略を練り直す。企業存続に必要なキャッシュフロー経営資金必要額を算出し、腹をくくって資金捻出対策を即スピーディに実施する。
  2. 毎年引上げされる「最大の税金」社会保険料を大幅削減する対策を実施する。
  3. 賃金カットではない休業制度、整理解雇ではない退職勧奨により人件費の変動費化・適正化を実施する。
  4. 業種により海外調達(輸入)で製造仕入コスト削減、輸出で海外新規収益獲得・消費税大幅削減により、今後の消費税引上げに備える。大きな変化に耐えられるよう事業リスク分散をしておく。
  5. 金利上昇、資源インフレが進む可能性も否定せず、その対策を立てておく。
  6. 相続税の大増税時代に備え、自分の年齢と後継者の有無等を勘案し早期に現実的事業承継対策を実施して企業存続を確かなものにする。
  7. 一番重要なことは心身の健康であるということを再確認し、ストレスに負けない体作りを日々心がける。
  8. 自分だけよければ、という考えは捨て、関係するすべての人々がよくなる方法を実行する。

とるべき具体的対策

  1. 自社の強みと弱みと外部環境を分析し、売れる仕組みづくり(利益があがる仕組みづくり)を再構築する。【1】在庫なし(又は少なく)、【2】設備が不要で、【3】少人数でも利益が出せる体制にする。
  2. サービス業等は、パート等の社会保険未加入の追徴を回避する対策をとる。また、60歳以上の高齢者の活用と人件費コストの大幅削減を行う。同時に働きがい、生きがいのある職場を目指す。
  3. 役員報酬を見直し、役員借入金・役員退職金等を活用する。役員数を削減し執行役員にして社会保険料削減や年金受給等で大幅な人件費削減をする。役員賞与や保証料支払い等により高齢役員の年金受給と社会保険料削減を実現する。
  4. 賃借事務所の低家賃地域への移転・スペースは最小限にして家賃を引下げる。また、比較的高い家賃を支払っている場合は家主に更新時期に関係なく家賃の引下げを要求する。
  5. 受注は自社で行い製造(運輸を含む)等は設備投資している他社を活用する。設備投資リスクを自社で負担しないような経営体制をとる。
  6. リスク対策として最新の就業規則(リスクのない退職金制度に改定)・車両管理規定、安全衛生教育、誓約書、残業許可申請書、みなし労働時間協定、個人情報保護規程等を整備し、各社員の署名を貰っておく。また、サービス残業対策・過労死(1億円以上の損害賠償)対策等も実施する。
  7. 取引先からの回収不能に備えて住居を所有する連帯保証人付きの取引基本契約等を締結する。未収は放置せず、内容証明、時効中断できる訴訟等をタイムリーかつ事務的に行い法的に短期間に回収する。また、預けてある敷金・保証金は競売になると返ってこないので交渉して引き下げておく。
  8. 厚生年金基金は、早期に任意脱退する。また、適格年金も早期にやめる。401K等は安易に導入しない。自社に合った対応を確立する。
  9. 知的財産は、特許権・商標権等にして独占権を確保しておく。粗利の高い独自商品・製品・技術等で差別化を徹底する。
  10. 日本の市場は先細りとなっていくので、需要が期待できる海外マーケットの開拓、海外調達によるコスト削減等を検討する。また、自社製品・商品、日本にあって海外にないもの、日本で必要ないが海外で必要なもの等を海外市場に売り込む。常に購入者の目で見ること。
  11. どんな時代でもお客様に必要とされる企業は生き残れる。お客様が何を求めているのか常に考え、行動する企業になること。自分だけ、今だけよければ、という考えは捨てること。

以上、心に感じる事項がありましたら、ぜひ即実行される事をお勧め致します。必要な場合はお手伝いさせていただきますので、お気軽にご連絡ください。本年もよろしくお願い致します。

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