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これからの法改正の動き

会社法制の見直し案で示されたバーチャル株主総会の規制緩和

法務省の法制審議会会社法制(株式・株主総会等関係)部会が、会社法制の見直しに関する中間試案を公表しました。中間試案は以下の3部構成になっています。

第1部:株式の発行の在り方に関する規律の見直し(株式の無償交付の対象範囲の見直し、株式交付制度の見直し、現物出資制度の見直し)

第2部:株主総会の在り方に関する規律の見直し(バーチャル株主総会およびバーチャル社債権者集会、実質株主確認制度、株主総会のデジタル化に関するその他の検討事項、「会議体」としての株主総会等に関する規律の見直しなど)

第3部:企業統治の在り方に関する規律およびその他の規律の見直し(指名委員会等設置会社制度の見直し、責任限定契約制度の見直し、事業報告等および有価証券報告書の開示の合理化)

このうち非上場企業にメリットがありそうな改正が、バーチャルオンリー株主総会の対象拡大です。

非上場企業でも実施可能に

バーチャルオンリー株主総会は総会運営コストの削減につながる、遠隔地からの参加がしやすい、といった利点がある一方、高齢の株主が参加しづらい、通信障害時の対応をどうするか、といった課題があるため、これまで会社法の特例として上場企業にのみ認められてきました。
この課題に対する手当てを行ない、すべての企業での導入を可能にしようというのが見直し案です。
実施要件として、株主総会の議事における情報の送受信に用いる通信の方法としてインターネットを使用することに支障のある株主の利益を確保するための措置として、機器の貸与、電話参加等の措置を必須とすることが挙げられています。
バーチャルオンリー株主総会を実施する際の手続きについて、招集の決定事項および招集の通知事項に加えるべき事項、株主総会議事録の記載事項等が示されています。
株主総会の決議の取消しの訴えの特則(セーフハーバールール)についても言及されています。
法務省は、中間試案を基にパブリックコメントの手続きを経て、2027年1月の通常国会での法案提出を目指すとしています。

注目したい法改正の動向

  • 法テラスの在り方を見直し
  • 少子高齢化の進行や、人口やサービスの地域偏在等、我が国の社会変化に伴う新たな社会課題が生じています。
    法テラスの設立から20年がたち、国民の司法アクセスを充実させる必要性は一層高まっています。そういった観点から、「法テラスの在り方に関する有識者検討会」が設置されました。持続可能な法律支援をいかに維持・拡大していくか、総合法律支援法を見直すことが予想されます。
  • 選択的夫婦別姓制は進まず
  • 第6次男女共同参画基本計画が閣議決定されました。
    計画では、選択的夫婦別姓の導入については明確な記載はされませんでした。一方で、婚姻により氏を変更した人が不便さや不利益を感じることのないよう、旧氏の単記も可能とする法制化を含めた基盤整備の検討を含め、旧氏使用のさらなる拡大に取り組むという方針が示されています。
  • 占用制度の見直しを検討
  • 現在、電柱や水道管など道路に一定の施設を設置し継続して使用しようとする場合には、占用制度に基づき道路管理者の許可が必要となります。国土交通省は、下水道等に起因する大規模な道路陥没事故等を踏まえ、「占用制度のあり方に関する専門部会」を設置しました。部会では、これまでの議論を踏まえて、占用制度の在り方の方向性が議論されます。
  • 家畜伝染病予防対策強化
  • 近年の家畜伝染性疾病の発生状況や悪質な肉製品等の持込みを踏まえ、家畜伝染病予防法の改正案が閣議決定されました。
    主な改正内容として、「ランピースキン病」を監視伝染病の対象に追加することや、輸入禁止品の販売等の禁止、違反した場合の罰則規定の新設、家畜防疫官に外国食材店等への立入検査や輸入禁止品等を廃棄する権限を付与することが挙げられます。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック