お役立ち情報

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今月の経理・税務

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  • 7月分の源泉徴収税額・特別徴収税額の納付……13日
  • 6月決算法人の確定申告と納税……決算応当日まで
  • 12月決算法人の中間(予定)申告と納税……決算応当日まで
  • 9月・12月・3月決算法人の消費税・地方消費税の中間申告……決算応当日まで
  • 7月分の社会保険料、子ども・子育て拠出金の納付……9月2日まで
● 年度後半に向けての資金繰り対策の確認

8月は夏休みや旧盆などの影響もあり、一般に営業活動は低調な時期といわれます。その一方で、夏物商戦の仕入代金の決済時期に当たるなど、支出は例月並み以上になることが多いため、どうしても資金繰りがタイトになりがちです。
どこから、いつ、いくらの入金があるかをしっかり確認して、資金繰り計画を立てる必要があります。
なお、3月決算の企業では、10月から年度後半に入ります。下期の売上・利益計画、資金計画の進捗状況や計画との乖離をチェックし、早めに対策を練りたいところです。

● 夏物商戦の売残り品の処理

8月も半ばを過ぎると、夏物商戦は終盤を迎えます。見込み違いなどにより売残り品が出た場合は、商品別に数量と金額をリストアップして評価損計上を判断し、計上する場合には証拠資料の整備などを行ないます。
通常と異なる特売セールなどでは、どうしても販売が最優先され、経理処理がおろそかになりがちです。税務上の留意点を再確認のうえ、ミスのない処理を心がけましょう。

● 12月決算法人の中間申告と納税

8月は、12月決算法人の中間申告・納税月です。
中間申告には、前年度の確定法人税額の2分の1を納税する「予定申告」と、期首から6か月間(上半期)の利益・損失に基づいて納税額を計算する「仮決算」の2つの方法があります。
どちらを選ぶかは企業に委ねられていますが、一般的には、上半期の実績が前年同期と同様であれば予定申告を、著しく悪化している場合は仮決算を選ぶようです。
事務負担なども考慮して自社に適した方法を選びましょう(ただし、納税額によっては、予定申告に限定される場合もあります)。

● 夏祭りへの寄附などの処理

8月は、各地で夏祭りや納涼イベントが催されます。地域密着型の企業では、参加する機会もあるでしょう。
会社が提供する社名入りのうちわやタオル、手拭いなどは、原則として広告宣伝費となりますが、現金の寄付や人員の派遣などで生じる費用は、税務上の問題が起こりやすいので注意が必要です。
たとえば、事業との関連性や支出の目的、供与のしかたなどによって、寄附金か交際費等かが区分されます。

● 税務調査への備え

確定申告の処理が一段落した7月は、税務署内で人事異動が行なわれます。それから業務の引継ぎ、調査法人の選定などを経て、本格的に税務調査に動き始めるため、毎年8月後半から11月にかけては、税務調査のピークを迎えます。
いつ税務調査が入っても問題ないように、自社の処理を確認し、きちんと説明できるようにしておきましょう。

● 売掛金の管理・回収の徹底

年度後半に向けて、与信限度枠の見直し、信用状態のチェックなど、得意先の与信管理を徹底しましょう。
なお、帝国データバンクの調査によると、2023年度の倒産件数は8881件(前年度比30.6%増)と、9年ぶりの高水準となり、増加率では過去30年間で最高値を記録しました。
業種別倒産件数では、2年連続で全業種で前年度を上回りました。とくにサービス業(2187件、前年度比28.7%増)は、12年ぶりに2000件を超えました。
「ゼロゼロ(コロナ)融資後倒産」(699件)、「人手不足倒産」(313件)、「後継者難倒産」(586件)、「物価高倒産」(837件)は過去最多を更新しました。

● 価格交渉・価格転嫁の推進

中小企業庁によると、2023年10月〜2024年3月において価格交渉が行なわれた割合は59.4%、価格転嫁率は46.1%だったとのことです。
発注企業からの申入れで価格交渉が行なわれた割合が増加するなど、価格交渉ができる雰囲気が醸成されつつある一方、「転嫁できた企業」と「できない企業」で二極化する兆しもあるようです。下請法や独占禁止法の規制も確認しつつ、価格転嫁をさらに進めていきましょう。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック