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これからの法改正の動き

自民党のデジタル政策提言で示されたマイナンバーカード取得の義務化

自民党のデジタル社会推進本部が、ことし5月に「デジタル・ニッポン2026」を取りまとめ、松本尚デジタル大臣と林芳正総務大臣に申入れを行ないました。
「デジタル・ニッポン」は、自民党が毎年取りまとめているデジタル政策に関する提言で、ことしは「責任あるアジャイル・ガバナンス」を表題に掲げています。
「アジャイル・ガバナンス」とは、変化が激しい社会において、ルールや制度を事前に固定せず、状況に合わせて継続的かつ高速に進化し続ける新しい統治の原則をいい、

・実証を通じて課題を把握する
・リスクを可視化する
・得られた知見を制度に反映させる
・ルールを継続的に更新していく

ことを中心に、多岐にわたる分野での政策提言をまとめています。

「新たな景色」の創出

そのなかで注目されるのが、マイナンバーカードの利活用についての提言です。
マイナンバーカードの利便性を国民1人ひとりがさらに深く実感するために、これまでの前提を打ち破る「新たな景色」の創出に向けた取組みが不可欠であるとしています。
デジタルの恩恵をすべての国民が感じることができる社会を目指すうえで、国民全員がマイナンバーカードを取得していることが必要であるとし、そのためのマイナンバーカード取得の義務化に向け、その社会実装の進展状況を踏まえ、法的に義務付ける必要性や実効性を検討すべきであるとし、「罰則なしの取得義務化」を求めています。
また、本人の同意を前提として、マイナポータル等で認証されたマイナンバーカードに含まれる情報を特定の事業者(民間送達サービス等)とシームレスに連携可能とする法整備・制度見直しをすることで、一度のアクションで複数の手続きが完了する「ワンストップサービス」が実現できるとしています。
物価高騰への対応や、災害時の迅速な給付など、財政支援をスピーディに進めるためにも、公金受取口座の登録義務化等も検討すべきとしています。
自民党はこの内容を骨太の方針に盛り込み、来年の通常国会での法令改正を目指すとしています。

注目したい法改正の動向

  • 予防接種の対象拡大
  • 厚生労働省の厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会予防接種基本方針部会が「抗体製剤を予防接種法上の予防接種に用いる医薬品の一つに位置づけることに関する提言」を取りまとめました。RSウイルス感染症の抗体製剤などを念頭に、ワクチンに準じた公衆衛生学的な性質をもった抗体製剤に限って、予防接種法上の予防接種の対象に含められるようにすることが妥当との見解を示しています。
  • 通信インフラの強靭化
  • 国際海底ケーブルは経済活動や社会活動を維持するうえで欠かすことのできない重要なインフラですが、人為的な活動によるものをはじめとする損壊事案が問題となっています。総務省は「国際海底ケーブルの防護等の在り方に関する検討会」の取りまとめ骨子案を明らかにしました。ケーブルの高度化・強靭化の観点から、陸揚局保有者に加えてGoogleやMetaなどの「国際海底ケーブル所有者」にも規律が適用可能となるよう、電気通信事業法等の対象の見直しが提言されています。
  • 防災DXの推進
  • 自民党の政策提言「デジタル・ニッポン2026」では多くのテーマが取り上げられました。その1つとして自民党の「防災DXプロジェクトチーム」は、徹底した防災に関してのDXを推進することを提言しています。その実現のために、災害関連法、個人情報保護法での防災DXの位置付け等の法制度整備を求めています。
  • 学校の評価方法見直し
  • 文部科学省の「教育・学習の質向上に向けた新たな評価の在り方ワーキンググループ」が、議論のまとめ案を示しました。認証評価制度をはじめとした第三者評価の改革を行ない、大学の評価を学部ごとに細分化するなど、新たな評価制度を構築する方向性を打ち出し、そのための学校教育法等の見直しを検討するとしています。

出典・文責 ≫ 日本実業出版社・株式会社エヌ・ジェイ・ハイ・テック